マイナス思考を”5秒”でプラス思考に変える【長期で取り組めば人生が変わる】

あなたにはこんな経験、ありませんか?
「また同じミスしちゃった。これだから私は…」
周りの人からすれば大したことない悩み。だけど私にしてみたら大問題。
上司からほんのちょっと注意を受けただけで、
「やっぱり私に務まるわけがない」
「そもそも私はなにも上手くできないんだ」
「私に価値なんてないんだ」
と、ネガティブのエスカレートが止まらない夜。
大したミスじゃないのは分かってる。上司が怒っているわけじゃないのも分かってる。でも、一度暴走し始めたマイナス思考は止まってくれない…。
そんな風に、どうしようもなくネガティブ思考に陥ってしまうこと、ありますよね。
「もう、どうしたらいいか分からない…」
「根っからのネガティブ思考は、きっと治らないんだ…」
そう諦めていませんか?
大丈夫。「セルフコーチング」で治せます。
セルフコーチングとは、プラス思考の自問自答を行うこと。ただし3つのステップが必要なので、詳しくは後述します。
これを習慣化することで得られるメリットは絶大。人生が大きく変わる可能性を秘めているのです。
上司に注意されても、必要以上に落ち込むことなく、前向きに受け止められるようになりますし、いつもゴキゲンなあなたの周りには、同じくゴキゲンな人が集まります。
そうすれば悲しい思いをする機会そのものが減り、さらにゴキゲンでいられる幸せスパイラルの出来上がり。
想像してください。
- 上司が、自分にだけ厳しい気がする
- 他の同僚に対しては普通なのに…
- きっと嫌われてるんだ。私が仕事ができないからダメなんだ
こんな時、
「『自分は期待されているんだ』と捉えて、学びの機会に変えちゃいましょう!」
とよく言われますが、正直「プラス思考で学びの機会を〜」とかどうでもいいんですよ。それはプラス思考の結果として得られるものであって、本質じゃない。
プラス思考の本質は、「悲しい」「つらい」と感じる機会が減って、幸福度が増す。これに尽きます。
マイナス思考に支配されているうちは、
また厳しく注意された
→つらい…
→でも、期待をかけられている証拠だよね!
と、一度ネガティブを乗り越える必要があります。でも、乗り越えるためのエネルギーが無いから困ってるんですわ。
しかし、プラス思考のクセがつけば、
また厳しく指導された
→期待に応えてみせる!
このように、ポジティブ一直線。これ、革命的。
ちなみに、この「自分にだけ厳しい上司」の例は私の実体験です。
繰り返しますが、前向きになれるかなんて二の次なんですよ。どうでもいいから、まずは心穏やかに過ごしたい。
「逆境から学べることもたくさんあるよ!」と言われても知らんがな。根明(ねあか)のポジショントークにはもうウンザリ。
しかし、この記事で紹介するセルフコーチングを習慣化し、長期的に取り組めば、そもそも悩み自体が減ります。
そのついでに失敗から学べるようになる、というわけです。
誰でも出来て即効性アリの方法なので、これは!と思った方はぜひお試しください。
プラス思考の3原則
セルフコーチングの効果を得るには、次の3ステップを踏む必要があります。
はじめに行うのは、「1. マイナス思考のコリをほぐす」こと。
もっと具体的に言えば、「マイナス思考を改善することにもネガティブ」という状態を抜け出すことから始めます。
その為にまず、プラス思考の3原則を知りましょう。
これはセルフコーチングやNLPなどを扱う書籍から私が厳選した、物事をポジティブに捉えるための土台です。まずはこの3原則を知り、「マイナス思考って、治せるのかも…」と希望を持つところから始めていきましょう。
事実にプラスもマイナスもない
大前提として、
- 大事な場面で失敗した
- 誰かに嫌われてしまった
- 上司に怒られた
これらの出来事が、ある人にとってはマイナスの出来事でも、ほかの100人にとってもマイナスであるとは限らない、ということを知ってください。
あなたの友人で、一番陽気な人を思い浮かべてください。漫画のキャラクターとか、大阪のオバちゃんとか、適当な映画のオモロい外国人なんかでオッケーです。
ここは一旦、「ハリウッド映画に必ず一人いる、陽気でデカい外国人」でいきたいと思います。


部長が、僕のプレゼンをダメダメだって言ってた?な〜に、次上手くやればいいさ!HAHAHA!そんなことより聞いてくれよ!今日のランチに買ってきたハンバーガーに、店員がパテを入れ忘れたんだよ!ちくしょう!
彼は「次上手くやればいい」と、プレゼンの失敗など気にかけてすらいない様子。
ある人にしてみれば一晩寝込むような大失敗も、ある人にしてみればハンバーガーよりも些細な問題でしかない。それなら、たとえ10人にとっては失敗でも、100人のうち1人くらいは楽観的な人がいてもおかしくないでしょう。
ネガティブな出来事は、受け手がネガティブに感じただけのこと。はたから見れば、事実にプラスもマイナスもありません。ただそれが「起きた」だけです。
(そして、ポジティブな人は「ポジティブに受け止めている」だけ。)
自分の悲しみは、自分だけのもの。悩んでいる本人からすれば、自分の悲しみを否定されるようで受け入れがたいですよね…。
しかし、これは真実です。あなたの悩みは、捉え方次第で悩みではなくなるかもしれないという希望を持つことから始めませんか?
(開発した宇宙船が、軌道到達に3回連続で失敗したことについて)
でも、宇宙空間には到達したよ。
全ての問題は解決できる
あなたがぶつかっている問題は、ほぼ例外なく解決することができます。それを知らなければ始まりません。
歴史上、世界中で「あり得ないこと」を成し遂げた人は大勢います。
- 電話によって、地球の裏側の人と会話ができること
- 飛行機によって、人が空を飛んだこと
- 人が時速数百kmで移動すること
- 人類が生まれた地球を飛び出し、月に降り立ったこと
- 会ったこともない私の言葉が、こうしてあなたに届いていること
どれも今となっては当たり前のことですが、徳川家康やコロンブスが聞いたら、10000%びっくり仰天。
もしも、あなたが「タイムマシンを作る!」「太陽系外へ有人飛行する!」といった前代未聞の挑戦にナーバスになっているなら別ですが…、あなたを悩ませる問題の多くは、すでに誰かが乗り越えたものです。
それなら、乗り越えた人のマネをすればいい、たったそれだけ。そう聞くと、不可能ではないような気がしてきませんか?
意志あるところに、道は開ける。
自分は自分の絶対的な味方
あなた自身が、あなたを否定してはいけません。
これまでの2つの原則で、「ネガティブは治せるかもしれない」という希望が少しでも見えたなら、決してその希望を手放さないようにしてください。
「そんな簡単に変われるわけがない…」
これは、変わろうとしているあなた自身を否定することになります。
あなた自身が、あなたの最大の味方であるよう努めましょう。これができれば、プラス思考へのウォーミングアップは完了です。
あなたは、あなたが思っているより勇敢で、強く、そして賢い。
良い自問自答で、プラス思考を作り出す
ネガティブの殻を破る準備ができたら、いよいよ「セルフコーチング」の練習をします。
銀座コーチングスクール・林 英利氏はセルフコーチングを行うことを、「自問自答の質をあげる」ことだと、著書『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』で説明しています。
- プロコーチ・林 英利氏
-
12年間、プロコーチとして2,000人以上のサポート・コーチングを行う。
2015年、年間3,000人以上が受講する銀座コーチングスクールの代表に就任。コーチング講座の開発や、プロコーチや講師の育成を行なっている。
セルフコーチングで、マイナス思考をプラス思考に変える
人は1日に約6,000回思考しているというデータ1があります。林氏によると、それらの多くは「質問と答え」がセットになっているとのこと。
「今日は何を食べる?」「中華にしよう」
というように、人は意思決定のたびに自然と「自問自答」を行うのですが…。ネガティブな人は、自問自答の質が悪い。反対に、ポジティブな人は質が良い。
林氏は「質の悪い自問自答」として、次の例を挙げています。
「今日のプレゼン、失敗したらどうしよう?」
→たぶん失敗するだろう。イヤだな。行きたくないな…。
「あの人、今日も嫌がらせをしてくるかな?」
→してくるに違いない。イヤだな。会いたくないな…。
という具合。当然、気持ちはズーーンと落ち込んでしまいますね。
ここで、ポジティブな人の「質の良い自問自答」の例を見てみましょう。
「今日のプレゼン、成功させるためにどんな工夫ができるかな?」
→よし、落ち着いて話せるように、開始前に1分、瞑想呼吸をしてみよう!
「あの人から今日も嫌がらせをされたら、どう行動すべきだろう?」
→よし、「イヤな気持ちになった」ということを一言でもいいからちゃんと伝えてみよう!
こうして「質の良い」自問自答を心がけて、自分をポジティブに導くのがセルフコーチングです。
このとおり、自問自答の工夫さえできれば、マイナス思考はプラス思考に変わります。
「その工夫ができたら悩んでないよ!」という方。安心してください。
ネガティブな人でも簡単に自問自答の質を上げられる方法を、次にご紹介します。
フィードフォワードの「魔法の言葉」
自問自答の質を上げるための、とてもシンプルな魔法の言葉をお伝えしましょう。
「私はこれからどうしたい?」
たったこれだけ。
これだけじゃ「?」だと思うので、順を追ってお話ししますね。
フィードフォワードで、意識を「未来」に向ける
まず「フィードバック」については、皆さんご存知かと思います。
未来の改善のため過去の反省をする、ごく一般的な手法ですよね。使ったことがない方はほぼ居ないと思います…が。
フィードバックには大きな欠点があると、「フィードフォワード」を開発した久野 和禎氏は言います。
- プロコーチ/講演家・久野 和禎氏
-
コーチング・コンサルティングのサービスを提供する経営支援企業、コノウェイ株式会社の代表取締役。その他、フィードフォワード協会の代表理事を務めるなど、さまざまなアプローチで5,000名以上にコーチングを行う。
『「質問」だけですべてをプラスに変えていくフィードフォワード全技術』著者。
フィードバックの欠点とは、「自分自身を反省=否定することで、ストレスを感じてしまう」こと。実際、ネガティブな人ほどフィードバックに苦手意識がありませんか?

- ◯◯ができていなかった
- もっと◯◯すべきだった
- ◯◯って前に言ったよね?
うわ〜…。想像しただけで胃がキリキリしてくる…。←これがストレス
過去の失敗ばかり目について「改善しよう!」というポジティブなエネルギーがどんどん失われてしまうんですよね。
あなたも、宿題に取り掛かろうとした瞬間、母親に「宿題やったの!?」と言われてやる気が爆散。その一言さえなければ頑張れたのに…という経験はありませんか?
フィードバックも同じく、ネガティブな人は反省しすぎて頑張れなくなっちゃう。
ここでフィードフォワードの出番。
聞き馴染みがない方も多いと思いますが、フィードフォワードとは、「過去にフォーカスしてネガティブな気持ちになってしまうなら、未来の話をしようよ」と、そういう考え方です。
フィードフォワードの開発者・久野 和禎氏は、著書で具体的な方法について書いていますが、ここではその要素をギュッと凝縮しました。
そして「セルフコーチング」の自問自答の要素を加えたのが「私はこれからどうしたい?」という質問、もとい魔法の言葉です。
未来に向けた質問を繰り返す
「私がこれからどうしたい?」の質問によって、まずゴールを設定します。これは未来の話であるため、過去にとらわれてしまうことはありません。
例えば、
「上司から注意されて、ずっと心が痛い…」
Q. 私はこれからどうしたい?
「とにかく心を軽くして、気楽に仕事したい」
「先輩の指導が厳しい…私だけ嫌われてるのかな?」
Q. 私はこれからどうしたい?
「仲良くなれるなら、仲良くなりたい」
これだけでも、意識が未来に向いたのが分かるでしょうか?
「きっと嫌われてるんだ…」「私なんかダメなんだ…」とくよくよしていた時より、よっぽど未来を見ています。
ここからさらに「じゃあどうする?」「それを実現するには?」というように、未来に向けた質問をどんどん重ねてみましょう。取るべき行動が、自然とわかるはずです。
「先輩の指導が厳しい…私だけ嫌われてるのかな?」
Q. 私はこれからどうしたい?
「仲良くなれるなら、仲良くなりたい」
Q. じゃあどうする?
「指導されることがない、プライベートの場で話してみよう」
Q. そのためにはどうする?
「仲の良い友達と、3人で会う」
いかがでしょう。もうこれで、誰もあなたをネガティブだと言いません。
目の前に問題が立ちはだかっても、自分の力で問題を解決できるプラス思考に変わったのです。
あなたがすべきことは、「私はこれからどうしたい?」という魔法の言葉を自分に投げかけて、自分の気持ちに素直になるだけ。超簡単だから、慣れれば5秒で答えが出ます。
さらに長期的に取り組んで、意識せずにできるようになれば立派なもの。
悲しさや辛さを感じる間もなく、未来に向けてプラス思考一直線。だからいつもゴキゲンだし、周りの人はそんなあなたに影響されて明るい輪ができる。
するとイヤミな人、皮肉を言う人は居心地が悪いため離れていき、お互いを大切にできる人同士が集まる、素敵なコミュニティが完成するのです。
終わりに
マイナス思考って、本人からしたらどうしようもないんですよ。超分かります。私も人の顔色めっちゃ気になるし、細かいこと引きずるタイプだし、心配性だし…。
確かに、根っからのポジティブにはなれないと思います。一生。
しかし「ネガティブは悪だ」として、治そうとする必要はありません。
この記事で紹介したのは「ネガティブなあなた自身を否定する方法」ではなく、「マイナス思考からあなた自身を守るための方法」です。
マイナス思考に陥って、本来持っている力を出しきれない。本当は笑っていてもいいのに、笑顔になれない。なんともったいないことか。
「私はこれからどうしたい?」という魔法の言葉は、マイナス思考から抜け出し、あなたらしく生きるための、いわば応急処置のようなもの。
ですから、「私に出来るわけがない…」などと思わずに取り組んでみてください。今は応急処置でも、長期的に続ければきっと「もっとあなたらしく」過ごせることができるはずです。
過去を悔やんでいる暇などありません。もう決断したのなら、迷いは一切捨て去るべきなのです。(中略)覚悟を決めて前向きな姿勢で取り組むことこそ、うまくやるために欠かせない要素なのです。
参考
- 『イーロン・マスクの生声』-ジェシカ・イースト(著)
- 『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』– 林 英利(著)
- 『「質問」だけですべてをプラスに変えていくフィードフォワード全技術』– 久野 和禎(著)
- 『リフレーミングマインド:ネガティブ思考を瞬時に切り替える技術』- 夏目 友吾(著)
- 『超訳 アドラーの言葉』- 岩井俊憲(著)
- 『ビル・ゲイツの生声』-リサ・ロガク(著)
脚注
- 1. Brain meta-state transitions demarcate thoughts across task contexts exposing the mental noise of trait neuroticism ↩︎