DaiGo氏激推しの本『THE LONG GAME』で、人生をドラクエに喩えてみる【Kindleで読める本】

率直に言います。今の生活が少しでも「改善の余地アリ」と思う人は、全員読んでほしい。
いや分かってますよ。レビュー記事なんだから「どんな人にオススメか」をはっきりさせないといけないのは。
しかし、次のうち一つでも心当たりがある人には、ぜひ読んでいただきたいのです。
- 現状の満足度「低」の人たち
- 今の仕事・勉強が、自分の幸せに繋がっているのか分からない
- そもそも、自分にとってのゴールが分からない
- 現状の満足度「中」の人たち
- ゴールは見えているが、具体的な道筋が分からない
- どんどん自信を奪われている
- 現状の満足度「高」の人たち
- 自分では、割と成功したと思っている
- でも「もっとやれる!」と思っている
このように、あらゆるステージの人が本書から学ぶことができます。それもそのはず、この本を一言で表すなら、
「成功へのケーススタディの広辞苑」
とでも言いましょうか。実例がめちゃくちゃ多いんです。「成功者、何人出てくんねん!」と思うほど。
後半になって「第2章で紹介した◯◯さんを覚えているだろうか」と聞かれても、いちいち名前まで覚えていられません。他に学ぶことが多いから。
この本の特徴は、
- 著者の主張を、成功者のケーススタディで裏付けている
- ケースの量が膨大なので、参考になる人が必ずいる(人によっては全員から学べる)
- それぞれのケースが具体的、かつ著者の解説つきなので、私たちの実生活に落とし込みやすい
人生の「よくある質問集」的な使い方ができる。しかもその回答者は、名の知れた成功者ばかり。そんな「超」優良ゲーム攻略サイトのようなイメージです。
人生というロングゲームの歩き方を知る
あなたは人生の正解、見えてますか?
当然、私は見えていません。というか見えるはずがない。自分と全く同じ人生を歩んでいる人なんていないんだから、未知に決まっています。
ドラゴンクエストをご存知でしょうか。モンスターを倒してレベルを上げ、色々な国や街を訪れて最終的に魔王を倒す、あのゲームです。
ご存知ない?それじゃまあ、似たようなゲームで大丈夫です。RPGならなんでもオッケー。
さっ、一度ドラクエの記憶を全部消してください。
あなたはドラクエを遊んだことがありません。
主人公がなんのために旅に出るのか、一切知りません。
目の前に現れるスライムをただひたすら倒しまくり、疲れたら最初の街に戻って宿屋に入る。そして、またスライムを倒す毎日が始まる。
はい、これが『THE LONG GAME』を読む前の、「目の前の課題に追われ、人生の目標のために時間を使えない状態」です。
ドラクエなら攻略サイトを見れば、
- 王様に話しかければストーリーが進む
- あそこの宝箱にはめちゃくちゃ強い武器が入っている
- あのキャラは、後半で仲間になるらしい
旅立ちからエンディングまでの、あらゆる情報が載っていますね。
同じゲームをプレイしている人がたくさん居ると、ゲームは効率よく進みます。ボスが思ったより強くて返り討ちに逢うこともないし、重要なアイテムを取り逃がすこともない。次々にあらわれる選択肢の正解を知っているからです。
一方、自分の人生を歩んでいるのは自分一人だけ。当然、選択肢の正解なんて分からないし、未知の未来に向けた的確な準備なんて、できるはずもありません。
さらに言えば、ドラクエでは「魔王を倒すこと」が最終目標ですが、自分の人生の最終目標さえ見えていないから、とりあえず目の前にいるスライムを斬って斬って斬りまくる。そして次の朝を迎える。そんな日々です。
つねに行き当たりばったりで、刺激に反応するような行動ばかりでは、いつまでたっても目標を達成できないだろう。
筆者のドリー・クラーク氏に言わせれば、これは「短期の戦略」です。
そして『THE LONG GAME』で、こう綴りました。
この『ロングゲーム』で私が目指したのは、成功へのプロセスを「すべて明かす」ことだ。長期にわたる成功を達成するまでには、どんなことが待ち受けているのか。その現実を包み隠さず明らかにしたい。
先ほど私は、「自分と全く同じ人生を歩んでいる人なんていないんだから、(人生の正解は)未知に決まってます。」と言いましたね。
この正解を集めたのが『THE LONG GAME』というわけです。
もちろん、あなたと全く同じ境遇にある人が登場するわけではありません。しかし先に述べた通り、なにせケーススタディの数がすごい。まるでドラクエの攻略サイトです。
必ず、あなたの人生にとってのヒントが隠されています。しかもそれは、世界でも指折りの経営思想家が描いた美しい「成功へのレール」の上に、きれいに並べられています。
自分にとっての「成功へのレール」を美しく組み立てられるように、この本は書かれているのです。
著者は権威ある経営思想家
本書の目的は、「人生とは『長いゲーム』なのだから、目先の仕事に追われることなく、長期的な視点を持つことが大切である」と読者に伝えること。
そう主張する著者のドリー・クラーク氏は、経営思想家にとって最大の名誉である「Thinkers 50」に、3度連続して選出されています。1
(Amazonの商品説明では「2度」と記載されていますが、それは発売日(2022年)時点での情報です。)
- Thinkers 50 とは?
-
2年に1度選ばれる、世界のトップ50名の経営思想家たちです。(クラーク氏が選出されたのは2019年、2021年、2023年。)
本書の中では「経営思想のオスカー」と喩えられています。
これがどれだけ凄いことなのか、Gemini先生とClaude先生に聞いてみた回答がこちら。
Thinkers 50 を他の分野で例えるなら- 映画でいうアカデミー賞
- 音楽でいうグラミー賞
- オリンピックでいう金メダル
- メジャーリーグでいう殿堂入り
著者がどれほど権威ある経営思想家なのか、よく伝わってきました。この『THE LONG GAME』の信頼もグッと増しますね。
経営の専門家の書籍ですから、仕事や自分のビジネスで成功を収めたい人にはもちろん有益です。
それだけでなく『THE LONG GAME』に登場する成功者たちの悩みは、私たちの身近な悩みに通じるところが多々あります。
- 人間関係の悩み
- 仕事の悩み
- いつも時間が足りない
- 目標を立てても上手くいかない
- 失敗をムダに引きずってしまう
など、私たちがよくぶつかる悩みを解決するヒントがたくさん隠されています。「悩みなんてまったくないよ〜」という人には不要な本ですが…おそらくそんな人はいないでしょう。人生に何かしらの悩み、不安がある人は、大いに学べる一冊です。
『THE LONG GAME』のマイナスポイント
人生の裏ワザ集ではない
ここまで『THE LONG GAME』を勧めてきましたが、注意点もあります。
この本には、誰も知らない、この本にだけ書かれているような「裏ワザ」は書かれていません。
先に述べた通り、『THE LONG GAME』は幸福度、社会的地位、経済的状況などにおいて様々な人々が学べる本です。
残念ながら、「全部のボスを一撃で倒す裏コマンド!」なんてものはありません。読者それぞれが自分の状況に落とし込むことで活かせる、あくまで「ケーススタディ」だと思ってください。
この本を活かしたいなら、泥臭くならなくてはいけません。「ロングゲーム」の名の通り、短期的な一発逆転!はそもそも本書のテーマではないのです。ちゃんと準備して、真正面から魔王を倒してやりましょう。
しかし、安心してください。「泥臭くなってやろうじゃないの!」と覚悟させるだけの「長期的な視点と継続の大切さ」も同時に語られています。
そもそも人それぞれの人生、乗り越え方も人それぞれなのに、「全ボスで使える裏コマンド」なんてあるはずも無し…。
ケース紹介が長い
ケーススタディを見ていると、「今なんの話してたっけ…?」となってしまうのも、要注意。
- 自分ごととして捉えなおす必要がある
- 学びがそこかしこに散りばめられている
などの理由で、読んでいると頭の中がかなり忙しい。次々と情報が流れ込んでくるため、現在の話題を忘れがちになってしまいます。
だから本を読む前に目次をみて、全体像を掴んでおくのがおすすめ。
もしくは、この記事を読んでくださった方に、次の章で私からのスペシャルプレゼント。『THE LONG GAME』のおおまかな流れをまとめておくので、本記事と見比べながら読んでみてください。各章の要点を押さえてから読むと、さらに理解が深まること間違いなしです。
本書のおおまかな構成
「ロングゲームをプレイするためのステップ」として、クラーク氏はこちらの3パートに分けて、本書を構成しています。
将来的に意味のある仕事をするため、時間を作る
意味のある仕事に、戦略的・効率的に取り組む方法
ロングゲームの「長い道のり」を、成功者たちはどのようにして乗り越えてきたか
さらに、各章ごとにどのようなテーマで語られているのか、こちらもざっくりとまとめてみました。

常に「今は◯◯を学んでいる」と意識しながら読むだけで、ケーススタディを存分に活かすことができますよ。
攻略サイトで「この攻略法、どのボスに使えるん?」となってしまったら、いざプレイするときに使えないですからね。
おすすめの読み方
『THE LONG GAME』は、かなりの情報量を有する書籍です。もちろん、すべて丁寧に読むと相応の学びがありますが、必ずしも頭から終わりまで目を通す必要はないと感じました。
そこで、読む際のちょっとした工夫を提案します。
自分のステージに合わせたパートから読む
この本をおすすめしたい人として、
- 将来に漠然とした不安を抱えている人
- 最終目標ははっきりしているが、道筋が見えていない人
- 割と成功したと思っている人
など、「現状の満足度」においてあらゆるステージの人が対象であると書きました。
それぞれの状況によって適切な学びは異なるため、「どのパートから読み始めるか」を一度考えてみるのが良いと思います。
100%吸収しようとすると、労力がかかります。学びの姿勢を変えるだけで、効率の良いインプットができますよ。
ゲームの攻略サイトを見るときも、すでにクリアした箇所はあまり見ないですよね。「取りこぼしがないかな?」と思うときくらいじゃありませんか?
ロングゲームにおいても、「まだ出来ることはあったかな?」と振り返るつもりで読むくらいがちょうど良いでしょう。
辞書的に使う
一度この本を読み終えたらおしまい、ではなく、ぜひ何度も読み返してください。
膨大な量のケーススタディが紹介されているため、読んだ時には「自分には関係ないや」と思ったことでも、いつか同じ困難にぶつかることも大いにあり得ます。
そして困難にぶつかったとき、進研ゼミよろしく「これ『THE LONG GAME』で見たやつだ!」となればしめたもの。あなたは既に、成功者がどうやってその困難を乗り越えたかを知っています。
その時が来たら、またこの本を手に取って、ケーススタディの辞書を引くのです。
最後に
「長期的な目線を持つべき」という前提のもとで、私たちは具体的にどうすれば良いか、たくさんのヒントをくれたのが『THE LONG GAME』でした。
スライムばっか倒してないで、魔王を倒すための道筋を見据えなさい、ということです。
長期的に物事を考えるということは、決して「後回しにしても良い」ということではありません。
「何かを成すには時間がかかるから、早いうちからゴールを見据えて行動しなくてはならない」というのが著者の教えであると、私は受け取りました。
「気になるから順番に読もうっと♪」なんて言って後回しにしてたら、きっと後悔したんだろうなあ…。
「もっと早く夏休みの宿題に取り掛かるんだった〜!」
「小さいうちからちゃんと歯を磨いておくんだった〜!」
のように、
「出版されたときに『THE LONG GAME』を読みたかった〜!」
とまで思いますが、それは仕方がない。この本の存在を知った瞬間に読み始めただけでもエライ、と自分を褒めてやることにします。
締め括りに、本書のもっとも心に残った一文をご紹介します。
成功するかどうかは、打席に立つ回数で決まるといっても過言ではない。
一見すると使い古された言葉ですが、この本を読む前と後では、受け取り方がきっと変わるはず。人生の「納得がいく」ゴールまでの道しるべが欲しい方は、ぜひお手に取ってみて下さい。
自分の子供が中学生になったら、絶対読ませようっと。