【習慣化のコツ:後編】13の仕組みの力で、”ほぼ労力ゼロ”の習慣化!


早起きや読書、資格勉強にダイエット、自炊や日記など…良い習慣は、多ければ多いほど人生を豊かにしてくれます…が。
「良い習慣をたくさん身につけて、憧れのあの人のようになりたい!」と心の底から願っているのに、いざ始めてみると、どうしてこんなに続かないんでしょう…。
しかし、一度諦めてしまった習慣化が「たったひとつのコツ」を押さえるだけで、成功にグンと近づくとしたら?
それどころか、他にもたくさんの良い習慣が身について、自分の力で人生を豊かにできるとしたら?
そのための最も重要な土台こそがマインドセットであること、その重要性と具体的な方法について、第1回の記事で解説しました。
マインドセットを行わずに習慣化に挑戦することの危険性は、第1回を通じてお分かりいただけたと思います。
第2回となる今回は、さらに習慣化の成功を確かなものにするために、マインドセットの次に行う「仕組みづくり」について解説します。
仕組みは、習慣化の険しい道のりをグンと楽にしてくれます。
新たな習慣を億劫に感じるとき、頭は「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」と訴えているのに、誘惑の前で理性とはなんと無力なことか。まるでお父さんに抗えないシ⚪︎ジくんのよう。

「やる気の出ない日くらい、自分を甘やかしたい…」
「でも、やると決めたのにやらないのは罪悪感がある…」
「やってもやらなくてもしんどいなら、今のままでいいや…」
「頑張ろう!」と決めた事が、こんな風に自己肯定感を下げることに繋がってしまい、
「私は良い習慣を身につけたいだけなのに、どうしてこんなに苦労しなきゃいけないの…泣」
と、正直思いませんか?
安心してください。これ以上、習慣化に苦労する必要はありません。
ラクに取り組むことは、悪いことではありません。成功者はラクするコツを知っているから、良い習慣をたくさん身につけているのです。仕組みづくりのコツをしっかりと押さえれば、どんな習慣でも”ほぼゼロ”の労力で身につけられます。
第1回で見つけたあなたが本当に身につけるべき習慣。
今回解説する、それを身につけるための苦労しない仕組みのつくり方。
この2つが合わされば、どうなると思いますか?
なんと、
まるで魔法のようですが、これは現実です。
万学の祖・アリストテレスをはじめ、あらゆる時代の偉人が口を揃えて「習慣」の大切さを説いてきました。
”繰り返し”が我々をつくる。だから、卓越した優秀さとは何をするかではなく、どんな習慣を持つか、だ。
現代でも、日本が誇るイチロー選手やサッカーのリオネル・メッシ、投資の神様ウォーレン・バフェットなど、魔法でも使ったかのような偉業を成し遂げた人々が、その偉業は「習慣のおかげ」と語っているのです。
RPGで訪れた最初の街で、

ふぉっふぉっふぉ。ここにあるチュートリアルを全て読めば、魔王をも倒す伝説の武器を授けようぞ。
とおじいちゃんが声をかけてきたらどうしますか?チュートリアル、読むでしょ。
習慣は、偉人も認める伝説の武器。マインドセットと仕組みづくりのコツさえ押さえれば、誰でも簡単に伝説の武器が手に入るんです。やらない理由、どこにもありません。
(私は、ゲームはあえてハードモードを楽しむ派ですが、現実の人生はできる限り苦労せず、自分に優しく生きたいと思っています。)
習慣とは、いわば人生を思い通りにコントロールする手段。身につけるのが早ければ早いほどお得な人生を送れるわけですから、後回しにする理由も意味もな〜んにもありません。
この記事では、誰でも取り入れやすい仕組みづくりを解説していきます。
ぜひ、自分が取り組みたい習慣にどう活かすかを考えながら、読んでみてください。
この記事は古川武士氏の『「続ける」習慣』からエッセンスを引用し、執筆していますが、内容はあくまで筆者独自の考えによるものです。書籍の主張とは異なることをご了承ください。(書籍の内容に興味がある方は、ぜひお手にとって読んでみてください!)
また、以下を始めとする多くの書籍も参考にしています。興味がおありの方はぜひ、書籍をお手に取ってみてください。
- 「続ける」習慣 – 古川武士(著)
- やり抜く自分に変わる 超習慣力 – ウェンディ・ウッド(著)
- 複利で伸びる1つの習慣 Atomic Habits – ジェームズ・クリアー(著)
- さあ、本当の自分に戻り 幸せになろう – マーク&エンジェル・チャーノフ(著)
- ゼロからわかる 知らないと損する行動経済学 – ポーポー・ポロダクション(著)
脳の機能が「習慣化」の邪魔をする
そもそも、良い習慣を身につけることのメリットは多くの人が理解しているのに、どうしてみんな途中で挫折してしまうのでしょうか。
それは、脳は変化を嫌うから。第1回では、これを行動心理学における「現状維持バイアス」によるものだと説明しました。
変化を選択すれば、利益があることが見込めるにもかかわらず、変化を避けて現状を維持しようと考える傾向のことです。
本来は変化に対する防衛本能と考えられますが、変化に富む現代では、そのバイアスが利益を遠ざけることになり得ます。
引用元:ゼロからわかる 知らないと損する行動経済学 – ポーポー・ポロダクション(著)
そのほかに、脳は省エネが好きというのも継続できない要因です。
自炊で例えるなら、1週間の献立をまとめて決めておくとラクみたいなもの。
掛け算においても九九を覚えてしまえば、計算に苦労することはありません。
どちらとも、脳が余計なエネルギーを消費しなくて済むように考える手間を排除しているから、苦労せずに済んでいるわけです。
習慣も同様で、身につくまでの間は「よし、やろう!」と決断する必要があります。この「決断」が、私たちが思う以上にエネルギーを消費するのです。
アメリカのバラク・オバマ元大統領は在任中、毎日決まって同じ色のスーツを身につけていました。ある雑誌のインタビューで彼はこのように語っています。
「決断は少ない方が良い。食べるものや着るものについてまで決断したくない。下さねばならない決断は、ほかにたくさんあるのだから。」
オバマ氏の肩には、アメリカという大国の未来が重くのしかかっていました。食事や衣服を選ぶだけの些細な決断だろうと、より重要な選択に悪影響を及ぼすことを心得ていたのでしょう。それだけ、「決断」とは避けられるなら避けるべきものです。
習慣化の始めは良くても、モチベーションが下がってくるにつれ、この「決断」という足枷はどんどん重くなっていきます。脳は省エネを好むので、やがて決断することに疲れ、途中で諦めてしまう。これが継続できない2つ目の理由です。
反対に言えば、一度自動化できた行動ならエネルギーは不要ということ。この省エネ機能を逆手にとったのが、まさしく習慣です。大変な行動でも一度習慣にしてしまえば、脳のオート機能が働いて私たちをサポートしてくれるのです。
前回の記事ではこれを「ゲームで例えるなら、敵を倒していないのに自動で経験値がじゃんじゃん入ってくるウハウハ状態」なんて表現しましたね。これが「成功者」たちのレベルがカンストしている理由でもある、とも書きました。
習慣が身につくまでには、4段階ある
習慣化された状態とは「行動を起こすハードルを0にした状態」であると第1回で解説しました。
その行動を起こすハードルが0になるまでの過程を、習慣化コンサルタント・古川武士氏は著書『「続ける」習慣』で「反発期」「不安定期」「倦怠期」の3段階で表しています。
前記事では「反発期」のさらに前の段階として「興奮期」を加え、下記の4段階で解説しました。

このうち、本記事で取り扱うのが「反発期」「不安定期」「倦怠期」です。
本題に入る前に、各段階について簡単におさらいしておきましょう。
冷静さを欠く【興奮期】
新たな習慣が身についた自分を想像すると、モチベーションが上がりますよね。
引き締まった体を手に入れた自分、
憧れの資格を取得した自分、
趣味を極めて、プロ並みの腕前を手に入れた自分…。
こんなワクワクから、つい高すぎる目標を掲げてしまいがちになるのが【興奮期】。
冷静になって、自分に「ノリと勢いで始めちゃって大丈夫?取り組むべき習慣、それで合ってる?」と問いかけるため、マインドセットを行うことが重要だと前回の記事でお伝えしました。
詳しい解説は、前回の記事をご覧ください。

やめたくなる【反発期】
慣れないことに取り組むのは、最初がいちばん大変。
行動を起こそうとするたび決断する必要に迫られ、「今日はやらなくてもいいか」という甘い囁きが誘惑してくるからです。
ハードルを極限まで下げた「小さな目標」を掲げることが効果的です。
振り回される【不安定期】
反発期のように小さなハードルで取り組んでいるうちは、隙間時間を見つけて続けることはそれほど難しくありません。
しかしハードルを上げ、まとまった時間が必要になってくると、他の予定に振り回されがちになり、「今日は忙しかったから…」とサボりがちになってしまう。これが不安定期です。
飽きてくる【倦怠期】
習慣がもうすぐ身につきそう…という最後の最後に訪れるのが【倦怠期】。
“慣れ”や”飽き”が良くない方へはたらき、習慣をやめてしまう時期です。取り組む環境を変えたり人に頼ったりと、楽しむ工夫をすることが効果的です。
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なお、本記事は【反発期】【不安定期】【倦怠期】を主に取り扱う構成のため、『「続ける」習慣』の古川氏の理論を軸に、解説を展開していきます。
習慣化の良きパートナーをお探しの方は、ぜひ手にとってみてください。
習慣化コンサルタント・古川武士氏の、年間に4000人以上の人へ習慣化のコンサルティングを行う経験から得たノウハウや理論を分かりやすくまとめた書籍。イチロー選手など、習慣によって大きな成果を得た人の例を、古川氏の解説を交えて紹介することで、成功者のマインドを取り入れることができます。
シンプルにまとめられており、
- 「複雑なことを考えたくない!」
- 「とりあえず何から始めれば良いのか、まるっと教えて欲しい!」
という方に非常におすすめです。
適切な「行動目標」を立てる
第1回の記事では、目標を設定するにあたって以下の内容をお伝えしました。
今回は特に「行動目標」にフォーカスして解説します。
行動目標を立てるにも、当然コツがあります。これを意識せずに無理のある目標を立ててしまうと、待っているのは茨の道。例えば、
ジムに週5日通うぞ!
まずは上半身と下半身のそれぞれ30分ずつトレーニングしよう!
そして最後に30分の有酸素運動!

こんな目標を立てたとします。具体的かつストイックで素晴らしいですが、とても長続きするとは思えませんよね。達成できない目標を掲げてしまわないよう、次に解説する2つに注意して、行動目標を立ててみましょう。
- 失敗しようのないくらい簡単な目標
- 続けること自体が目標
それぞれの詳細を順に解説します。
実現できない目標を掲げても、自分の首を締めてしまうだけ。ここでストイックになる必要は全くありません、気負わずいきましょう。
失敗しようのない目標にまで小さくする
実現可能な目標とは具体的にどんな目標でしょう?
答えは極めて単純。簡単な目標、つまり失敗しようのないくらい小さな目標です。

特に、【反発期】において注意すべきことは、これだけで十分。
反発期とは、行動を起こすハードルがもっとも高い時期だと説明しました。
それならハードルを下げればよいのです。簡単に達成できる目標にして、とにかく「ラクに」取り組めるようにしましょう。
そしてこれは、反発期を過ぎても有効です。1を達成できたからと言って10に取り組むようでは、やはり負担が大きくなります。1を達成できたら2、その次は3というように、習慣が身体に染み付くその瞬間まで、目の前の簡単な目標だけを追いかけ続けましょう。
古川氏によると、次の2通りの方法でハードルを低くすることが可能です。
取り組む習慣が時間に由来するものなら、面倒に感じることなく実行できるくらいに、所要時間を減らしましょう。
30分の筋トレは億劫かもしれませんが、5分だけならどうでしょうか。やろうか悩んでいる時間のうちに終わらせることだって出来ちゃいますね。
成果に由来する習慣、たとえば「○ページ読書する」「○km走る」などの場合、求める成果を小さくするのもひとつの手です。
本の1ページだけなら、いくらでも隙間時間で読めます。ランニングの場合、距離を短くするのも良いですし、ウォーキングなどの負荷を下げた運動に切り替えるのもアリです。
「たったそれだけだったらやる意味なくない?」と思いますか?
そんなあなたはきっと完璧主義。
習慣化の基本は完璧主義ではなく完了主義です。
1歩ずつだとしても、続けさえすれば100歩、1000歩と進んでいるのです。しかも、そこにかける労力は最小限ですから、10000歩進むことだって苦ではありません。まとめて10歩進んだとしても、辛くなって50歩で止まってしまえば意味がありません。
目の前の物足りなさを手放すのも、習慣化においてはとても大切です。
「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
「一日ではほとんど違いがないように見えても、数ヶ月や数年をかけてもたらされる影響は計りしれない。2年、5年、あるいは10年後に振りかえってはじめて、良い習慣による利益と悪い習慣による損失がはっきりと見えてくる。」
続けることを目標にする
適切な行動目標のもうひとつの条件は、続けること自体が目標であることです。
習慣の恩恵がいつ現れるかは、人それぞれです。しかし、ただひとつ確かなのは、継続しない人に結果はついてきません。
繰り返しますが、10歩ごとの歩みを50歩でやめてしまっては何の意味もありません。着実に1歩ずつ歩んでいくことが、10000歩の道を歩ききる秘訣です。手応えよりも続けることだけに集中して、目標を立てましょう。
始めの一歩が小さければ小さいほど、歩き出すのだって怖くありませんから。
続けるコツは仕組みを作ること
ここまでに「ちょっとずつの歩みでいいんだ!」「とにかく続ければ良いんだ!」と、私の洗脳が成功していれば何よりです。笑
やる気だけで取り組んでも、いつか挫折してしまう。
だけど、継続できなければ結果もついてこない。
そこで活躍するのが、労力を”ほぼゼロ”にする仕組みです。
正直なところ、仕組みづくりのアイデアなんてものはそこら中に転がっていますから、「あえてこのサイトで取り上げなくても…(何番煎じやねん…)」と思わないでもないですが、ここまで来たらやるっきゃない。
やるからには満遍なく、万能なアイデアをまとめました。
今は、暗記パンに頼っちゃうのび太君くらい怠惰でいいです。怠惰でもできるくらいじゃないと、そもそも継続できません。
これらを上手く組み合わせれば、どんな習慣化の苦労も”ほぼゼロ”にできますから、安心して読み進めてください。
【反発期】では多くの仕組みは不要
まず第一に、ここで紹介するアイデアは習慣のハードルを上げ、継続が難しくなってくる【不安定期】で取り入れることをおすすめします。なぜなら先ほども言ったとおり、【反発期】で気をつけるべきことは「ハードルを極限まで下げる」ことだけだから。
「ハードルを下げる」のは習慣化における必殺技です。
時間のハードルを下げれば隙間時間で取り組めるということですから、時間を捻出する仕組みは必要なし。
成果のハードルも下げれば労力をかけずに取り組めるため、手間を減らす仕組みも必要ないんです。